このコラムでは、ゴルフのモチベーションを維持する工夫を、野村総合研究所が出版した「モチベーション企業の研究」(2008年)をゴルフに応用して考えています。

■成長の見える化でモチベーション維持

同出版物によると、若手社員(当時の20代・30代)は、上の世代と比較して仕事に関する5つの欲求が強いと示しました。
それは次の5つです。

[1]意味欲求
[2]成長・向上欲求
[3]創造性発揮欲求
[4]承認欲求
[5]自己実現欲求

前回は「1 意味欲求」について考えてみました。今回は「2 成長・向上欲求」について考えてみましょう。

[2]成長・向上欲求を満たす

新しいノウハウやスキルを身に付けたい、自分のキャリアを高めたいという欲求に対しては、誰もがチャレンジできる場と、その結果、成長したことをしっかり実感できる機会が必要です。

ゴルフでいえば、できるだけコースに出る機会を勧めています。
練習で上達してからコースに出るなどと言っていては、いつまでも経験が積めません。
早くコースに出て、うまく行かない所を反省し、また実践で試しながら修正を重ねていく、この繰り返しがモチベーションになります。
もちろん、思い通りの結果が出ないこともあるでしょう。
それでも競技に参加する前と後とでは、必ず参加した後の方が成長しているものです。

成長を実感する上で効果的なのが「記録をつける」ことです。
つまり成長を「見える化」するわけです。
ゴルフの場合、まずはどんな形であれ、プレーを記録することから始めてみましょう。
ラウンド中に長い文章を書く時間は取れないでしょうから、分かりやすく記号化するとよいです。
例えば・・

【1W-F右残150】
第1打をドライバーでフェアウエイの右サイドに運び、残り150ヤード

【7I-G右B】
第2打を7番アイアンで打ち、グリーン右手前のバンカーに入れてしまった

・・という具合に、書き方を工夫するとよいでしょう。

プレーを記録し、後から振り返ると、スコアには表れない成長が見える場合があります。
スコアは変わらずだがティショットの精度が向上しているな、とか、パーオンする確率が上がっているな、なども成長の過程が見えるとモチベーションを維持する助けになります。
常に自身の成長を「見える化」し、成長を実感し続けることはモチベーションの維持にとても有効だと思います。

次回は、「創造性発揮欲求」について考えてみたいと思います。