少々話がゴルフから外れますが、内閣府の調査によると、介護が必要な人、つまり要介護者の人数は、介護保険が始まった2000年は218万人でした。
これが2017年では、何と3倍近い633万人に増加しています。
そして、2019年の「国民生活基礎調査」で、要介護の原因でもっとも多いのが「認知症」であると発表されました。
次いで「脳血管疾患」、「高齢による衰弱」と続きます。
つまり、認知症を予防することは、自分自身が要介護になるリスクを減らす上でとても重要な取り組みであるといえるわけです。

■ゴルフで脳を活性化する

認知症予防に効果的なのが「デュアルタスク運動」です。
デュアルタスク運動とは、別名「二重課題運動」と呼ばれ、運動をしながら計算するなどの“ながら運動”によって脳を活性化するものです。
ウォーキングをしながら足し算や引き算を行う、足踏みしながら右手が勝つように一人ジャンケンをする、などです。

ゴルフは、コース状況を把握し、戦略を練り、リスクヘッジしながら頭を使ってプレーを進め、「歩く」「ボールを打つ」という運動をします。
そしてコース内の距離表示などの情報を頼りに残りの距離を算出したり、またスコアを数えたりといった計算も行います。
正にゴルフは、自然の中で楽しみながら行うデュアルタスク運動といえます。

更にゴルフでは、適度なプレッシャーがかかるため脳に刺激が与えられ、脳が活性化します。
故にゴルフは、認知症予防にも効果的なスポーツといえるのです。

関東ゴルフ連盟、日本ゴルフ場支配人会連合会、NPO法人日本芝草研究開発機構、日本女子プロゴルフ協会、日本プロゴルフ協会によって構成されている「ウィズ・エイジングゴルフ協議会」(略名WAG)という研究チームがあります。
WAGは、国立長寿医療研究センターと東京大学、杏林大学との共同研究で、ゴルフで記憶力が改善され、認知症予防に効果的であることを明らかにしました。
興味のある方は、WAGのホームページをご覧ください。

(文:小森)

▽ウィズ・エイジングゴルフ協議会のホームページ▽
http://withaging-golf.com/